エネルギーとコストを考える



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燃料の特徴は一長一短なので単純比較はできませんが

簡単=コスト増>手間=コスト減

夏の間は今ほど考えていなかったエネルギー。
世界情勢と寒くなるであろう冬、防災記事が見かけるようになり、改めて見直しすることにしました。
ポイントは2つあり、

  • 寒い冬を乗り越えていくには
    東京在住者の多くはエアコンを使用し、石油ストーブを使っていません。
    理由は3つあって、現代は電気はコスト安、狭くて石油ストーブが危ない、そして契約上の問題です。
    ですが、これだけ災害が近づき、夏の暑さが厳しいと、極寒の冬をどうするか。
    平時の電気は全く問題ありませんが、有事の停電が起こったら一発で混乱するでしょう。
    私は防災訓練という名のキャンプをするので、その延長でストーブを入手することで、平時はキャンプに、有事は災害対策グッズとして導入できると判断しました。
  • CB缶問題
    どこでも手に入るCB缶はとても便利です。
    どこのご家庭にもあるカセットコンロに挿せばすぐに使えることができます。
    充電しなくて良いというのがポイントで、ストーブもあることから推していたのですが、防災意識の高まりからCB缶を用意しようと話す影響のある防災士さんがどんどん発言しています。
    問題は有事前に必要量を備えられるか、そして有事に必要量がを供給されているかです。
    店舗の在庫量は平時を想定したもので有事を想定したら限りあるバックヤードを圧迫してしまいます。
    殺到した場合にメーカーに在庫はあるが店舗にないという状況が想定されます。
    夏ならそれなりに涼しくすることは可能ですが冬の寒いは耐えられません。

+1のエネルギーを加える

防災エネルギーが1つ倒れたらもうアウトを防ぐためにもう1つのエネルギーを加えたい。特に冬の寒さ対策は東京であっても深刻です。

となるとCB缶+1、またはポータブルバッテリー+1という+1エネルギーを加えることを考えた方が良いです。
多くを用意することはありません。

私は冬用に石油ストーブ、灯油ランタン、灯油バーナーを用意しました。

0℃付近になるとグズるエネルギーと熱源向きではないエネルギー

地震や噴火の後は気温が下がる傾向があります。氷点下近くになるとグズリ出すのが電池とエネルギー。燃料用アルコールや灯油などの液体燃料はむしろこの温度帯から元気になるので、冬に向けて取り入れたいところです。

ガスや電池は氷点下に入ると力が失速します。
東京で氷点下はないとは言え、地震や噴火の後は気温は下がるもの。
そしてガスと電池は熱源に対するエネルギー効率が良くありません。

特に暖房は顕著で、ガスだと熱量が上がらない、電池だと持続時間が短くなります。
熱源として考えている時には湯沸かしなど短時間の作業にとどめ、暖房は着込んだり別に用意するなど対策を取った方が良いです。

1時間あたりのエネルギーコスト

左から灯油1L=120円、燃料用アルコール1L=600円、ホワイトガソリン1L=980円

エネルギーについては用途によって変化します。
例えば暖房なら熱量や持続時間が気になりますし、照明なら風に強く明るいかという機能面でエネルギーが決まります。
湯沸かしなら、最短で沸騰できれば良いので長く燃える必要はありません。

ただ、1時間の燃焼コストを見ると、

  • 簡単&便利ほどコストが高く、暖房器具としては厳しく
    湯沸かしなど短時間の燃焼に向いているか、お鍋のような火力を必要としないものに向いている
    簡易&安価で買える器具が多い
  • ひと手間がかかるエネルギーは安く、暖房器具用として向いている
    石油ストーブや煮込み料理など長時間燃焼させる器具に向いている
    少々コスト高な器具が多い

という傾向があることがわかりました。
向き不向きを踏まえながらご覧になると良いと思います。

CB缶OD缶固形燃料エスビットタブ(固形燃料)燃料用アルコールホワイトガソリンパラフィンオイル灯油ポータブルバッテリーモバイルバッテリー
参考商品イワタニ CB缶250g
380円
SOTO OD缶230g
660円
ダイソー固形燃料3個入りエスビット14g×6個入りケンエー500ml
300円
コールマンホワイトガソリン1L
980円
STAR パラフィンオイル1L
1760円
ガソリンスタンド1L
120円
EcoFlow DELTA miniAnker PowerCore Essential 20000
得意なことストーブ
ランタン
ストーブ
ランタン
ストーブストーブストーブストーブ
ランタン
ランタンストーブ
ランタン
容量以下の電気製品スマホやタブレットなどの充電
メリットコンビニ、スーパー、ホームセンター、100均などで販売されている
100円で取得できる
アウトドアショップやホームセンターに行けば確実に手に入る比較的どこでも手に入る
手軽に使える
簡易装備で使える
安価
アウトドアショップで安定供給されている
火力が高く安定している
個包装
薬局などて手に入る単価が安い
氷点下でも着火する
使う火器がシンプル上に頑丈
アウトドアショップで安定して手に入る
着火点が低いので氷点下でも元気
慣れれば取り扱いは簡単
手に入りやすい
煤がつきにくい
灯油に代替えできる
ガソリンスタンドやホームセンターで手に入る
安価
熱量が凄いので暖房製品に強い
電化製品がそのまま使えるUSB機器が使える
軽量コンパクト
デメリット寒さに弱い少々高い
コンビニやスーパーでは手に入らない
しっかり封をしていないと乾燥してしまう
燃焼時間が決まっている
少々高価
燃焼時間と火力をほぼコントロールできない
火力コントロールが難しい。高価単価が高い臭い
煤が付きやすい
着火点が高いので石油ストーブ以外はプレヒートを必要とするモデルが多い
容量コストが高い
充電に時間がかかる
氷点下で著しくパワーダウンする可能性がある
AC電源が使えない
氷点下で著しくパワーダウンする可能性がある
-----------
5℃〜に適応
-5℃〜に対応
氷点下に対応××××
-----------
SOTO Gストーブの時間コスト380円÷2.1時間=180円/h---------
SOTOひのとの時間コスト380円×0.1÷1=38円/h660円÷24時間=27.5円/h--------
エスビットポケットストーブ--33円÷0.3=110円
600円÷6÷0.25=400円
エスビットアルコールバーナー----300円×0.14タンク÷0.5時間=84円-----
コールマン286の時間コスト---980円×0.59タンク÷7=82.6円----
コールマンスポーツスターの時間コスト---980円×0.54タンク÷2=264円/h----
コールマン550の時間コスト---980円×0.3タンク÷2=147円/h-120円×0.3タンク÷2=18円/h
フュアーハンド276----1760円×0.34タンク×12時間=50円120円×0.34タンク×12時間=3円
コールマン639の時間コスト-----120円××0.59タンク÷7=10.2円
--
レインボーストーブの時間コスト-----120円×7L÷20時間=42円/h--
ペトロマックスHK500の時間コスト-----120円×0.9÷6時間=18円/h-
価格/容量=単価115,500円÷882Wh=130円/Wh4000円÷20Wh=200円/Wh

参考:エネルギー一覧

5℃以下になると元気がなくなる可能性があるエネルギー

バッテリー駆動のゴールゼロは氷点下に入った途端に電圧降下の恐れがある代表格。5℃以上なら快適極まりないランタンですが、得意不得意があります。

EcoFlow DELTA mini

実際に持ってみましたが、現実的には700Wh~800Whが持ち歩ける限界でした。
その下のクラスだと巨大なモバイルバッテリーという印象で熱源は全く使えません。

上のクラスだと熱源は使えるものの数時間の使用で終わってしまったら、曇りでソーラー充電が出来なかったら、晴れても数時間待たなければ使えない。
そして移動することになったら捨てて移動する覚悟がないと東京の災害では使えません。

Anker PowerCore Essential 20000

携帯できる限界だと思います。
iPhoneを2台同時充電で合計4台分充電できるのはとても良いです。

イワタニ CB缶 250g

CB=カセットボンベ。
殆どのご家庭で使われているガスエネルギーです。
コンロからランタン、ストーブまであります。
最近は防災用に備えなさいというアナウンスが多いので殺到した時には入手できない可能性があります。

SOTO OD缶 250g

OD=アウトドア
キャンプで使われてるガスエネルギーです。
小型でCB缶よりハイパワーなのですが、入手がアウトドアショップと限定的なのでキャンパーじゃなければCB缶でまとめた方が良いです。

氷点下でも元気さを維持するエネルギー

燃料用アルコールは氷点下でも元気なエネルギーの1つ

液体燃料と呼ばれる中心とするエネルギーは氷点下でも元気に動きます。
東京はそれほど氷点下を気にしなくても良いですが、1つ持っておくと良さそうな気がします。

コールマン エコクリーン 1L

ホワイトガソリン。
液体燃料の代表格。
安定動作が特徴ですが少々高く揮発性があります。

スターパラフィンオイル 1L

蝋燭の蝋が液体になったものを覚えると良いと思います。
安定度や煤が付きにくく、主に使うランタンのホヤ(ガラス面)が黒ずんで光量が落ちるなんてことを防ぎます。

ケンエー 燃料用アルコール 500mL

小学校の理科の実験で使ったアルコールランプでお馴染みの燃料です。
薬局でレジスタッフに言うと手に入ります。
アルコールストーブやプレヒート(余熱)などで頻繁に使います。
アルコールストーブの湯沸かしはこんな簡単な装備で元気よくお湯を沸かす姿に感動しますよ。

灯油(スターケロシン 1L)

灯油はアマゾンで売られていないので正式な燃料を紹介しますね。
HK500に入れるメーカー推奨の燃料です。

ダイソー 固形燃料

ダイソーで3個入りで販売されている燃料。
吉野家の牛すき定食や旅館の釜飯はこれで加熱調理します。
湯沸かしから炊飯まで力強く加熱します。

エスビット 固形燃料ミリタリー14g×6

エスビットという名前は固形燃料の名前です。
Esbit=Eric Schumms Brennstoff In Tablettenform(錠剤の形をしたエーリヒシュムの燃料)。

ダイソーの固形燃料(青ネン)よりも火力があることと、個包装ということもあり保存性が高いです。

参考:器具一覧

灯油と部品調達が簡単という理由で選んだコールマンエクスポーネントストーブ

機材から選ばずエネルギーから選んでいく方が結果的に良い効果があるように思います。

SOTO Gストーブ ×CB缶

折り畳み時はスマホ2台を重ねたサイズというコンパクトさが魅力。
火力も強く、一気にお湯を沸かす能力があります。

SOTO ひのと ×OD缶orCB缶orガスタイターガス

様々なガスが使える便利なテーブルランタン。
うっとりする炎が魅力。

エスビット ポケットストーブ ×固形燃料

簡易的ながらこれ以上もいらないなと感じる湯沸かし器。
エスビットの固形燃料が箱のまま入って携帯できる、固形燃料を生かすストーブ。

エスビット アルコールバーナー ×燃料用アルコール

燃料用アルコールを使うスタンダードタイプ。
湯沸かし能力凄いです。

コールマン286 ×ホワイトガソリン

私は295を所有していますが、一般的にはこちらの機種が手に入るので、こちらを選択しました。

コールマン スポーツスター ×ホワイトガソリン

私は550Bを所有していますが、スポーツスターは実家にある気がするんですよね。
見つからない。。。

コールマン550B ×ホワイトガソリンorレギュラーガソリンor灯油

エクスポーネント マルチフューエルストーブという正式名称の通り、ホワイトガソリン、レギュラーガソリン、灯油が使えるマルチ燃料モデルです。
私は灯油用に入手しました。

フュアーハンド276 ×パラフィンオイルor灯油

キャンパーなら一度は欲しいと思ったり所有したりする定番ランタン。
正直暗いですが、焚き火と276だけの時間は有意義な時間です。
満タン12時間という燃費の良さと別名ハリケーンランタンの通り、台風でも消えない防風性を備えたランタンです。
メインランタン+サブランタン276という組み合わせは良いと思います。

コールマン639C ×灯油

本国アメリカでは灯油ランタンも存在するコールマン。
使い方も簡単ですし、エネルギーコストが下げられるのでオススメです!

トヨトミ レイボーストーブ ×灯油

厳寒期の停電に備えるために用意したレインボーストーブ。
言ってみれば6畳間用のストーブですが、満タン20時間という高燃費で選びました。
湯沸かしや煮炊きもでき、ある程度明るさもあるのが良いですね。

ペトロマックスHK500 ×灯油

冬対策!灯油化計画の1つに備えました。
暖かな光質なので、レビューの通り目が眩むほど明るいということはありません。
コールマンのツーマントル位です。
ですがエネルギーコストを下げてこの明るさは凄いです。

用途×気温×価格でエネルギーを選び、そこから機材を選ぶ

薪やペレット、炭も氷点下は元気です。

用途×気温×価格でエネルギーを選ぶ。
そこから機材を選んでいく。

3つの要素の1つがゼロだったらゼロになってしまう機材選び。
こんなんじゃなかったとならないように選びたいですよね。

例えば冬キャンプ、雪中キャンプに電気やガスを持っていても使えない可能性があります。
その時は景色を諦めテント内に入れば使えるかもしれません。

灯油は氷点下も元気ですが、沸点が高いためプレヒートを行うモデルがあります。多くは燃料用アルコールになるのでアルストをサブに持つのは良い選択だと思います。

そんな時にアルストを片隅に忍ばせておけば暖かいスープで暖を取ることができるかもしれません。
因みにライターもガスなので氷点下はぐずるかもしれません。

20年前になんちゃってキャンパーだった時は夏しかやらなかったからホワイトガソリンの素晴らしさなんてわかりませんでした。
カッコ良いから手に入れたものの面倒で鬱陶しくなった記憶があります。
今では秋〜初冬に子供とキャンプに行くようになりました。

私一人が苦しむなら仕方ないけれど子供だけは守らなくてはいけません。
無知だったと片付ける訳にはいきません。
これは災害も同じで、知らなかったで済まされないことが多々あります。
最初は誰も知りません。
だからこそ関心を持って知ろうとすることは防災やキャンプに限らず大切なことだと思うのです。

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ABOUTこの記事をかいた人

「災害に備えたい!」 そんな妻の一言からスタートした防災計画。 仕事の都合でたまたま東京23区に住むことになった私が東京都23区に合う防災グッズを探していきます。 便利も不便も楽しめる小学生と、キャンプは嫌いだが防災には関心がある妻、そして数十年前にやっていた(だけ)キャンプ熱が再発したほぼ素人の私。 2人のために確実・簡単に使えるグッズを集め、防災訓練と称してキャンプに行き、それなりに楽しんでくれてます。 防災訓練と言えども楽しむのは大切だと考えています。 キャンプから見た防災という記事やはありますが、「東京23区の防災スタイル」「東京23区在住者から見た防災」というテーマの記事が少ないと思い、人柱になって綴っていきます。 ロマンよりも簡単確実を取り、ブランドにこだわりません。 また防災しか使えないグッズではなく、キャンプやお花見などのレジャーでも使えるものを探すことで、日常的に防災グッズに触れる機会を提案します。 このサイトを見て「自分ならこうする!」と防災について考えるきっかけ作りを目指しています。